冒頭
ゲームを起動するといきなり不穏なBGMとともにこのゲームの主人公「比良坂夜露」ともう一人の主人公「吾妻楓」が敵対するというあたかも物語の終盤にありそうなシーンが挿入される。
当時の僕はそんなことよりリセマラだ!みたいな心境にあったのでスルーしがちだったのだが見返してみると(再DLしないと見れない)なかなか伏線めいたことを言っている。まとめてみようと思う。
・敵対する主人公同士
この時点では二人がどういう関係なのかを知る由はないのだが、二人はなかなかに仲が良い。夜露は楓を尊敬し、楓はその勢いに少し引き気味ではあるけども嫌ってはないという態度を取る。(なんなら憧れの人が自身の姉であったことを知り不満げな表情すら見せる)
敵対する要素は見受けられないように思われるが、後で出てくるヴァイスの認識に関してかなりの違いがあることが示されている。
比良坂夜露はヴァイスに対して「会話さえできるなら分かり合えるのに」という考えを持ち、吾妻楓は「ヴァイスは悪、打ち払うべし」という考えを持つ。二人はこの点に関して頑固と呼べるなにかがあるので敵対するとしたらこの考え方の相違が原因と思われる。
・「混沌の果実を選んだ生命とは……戦う以外、道はないから……」
楓のいかにも意味深なセリフ。混沌の果実というと、まず旧約聖書をもとにした『禁断の果実』が思い浮かぶ。
簡単に言えば、神の住まう世界で食べてはいけないと禁じられていた果実をアダムとイヴが食べてしまい神の世界を追放されるという内容なのだが、アリスギアでも後々神に等しい存在によって人類が管理されていたという歴史が示唆されている。
これをそのまま当てはめると、混沌の果実を食べた生命とはヴァイスではなく人であり、それが故に地球から追放されたと考えられるかもしれない。この時点での吾妻楓は立場的に人類側ではないということだろうか。
・赤いドレスを着た比良坂夜露と白いドレスの吾妻楓
「隠されたアリスが赤の女王に変わる……その前に……」
楓さんの赤の女王、アリスに言及したセリフ。これはどちらもモチーフの『鏡の国のアリス』から取られているものと思われる。
ちなみに『鏡の国のアリス』の作中では白の女王の手引きにより白のポーンになったアリスが、敵陣に攻め込み白の女王にプロモーションした後、赤の女王を取るという流れがある。
もしアリスギアアイギスもその流れに沿っているとしたら、楓さんの言う、「隠されたアリスが赤の女王に変わる――」という夜露があたかもアリスであるかのような台詞は、楓さんがアリスであることを隠すためのミスリードなのかもしれない。
・戦闘パート
上のシーンの後で、ヴァイスとの戦闘パートに移行する。時系列的には上のシーンの過去にあたる。
楓からの無線が入りヴァイスの大群により東京シャードが壊滅したとの知らせが入る。
ヴァイスの大群が攻めてくるという部分はメインストーリーの侵食編を彷彿とさせる。このシーンにメインストーリーが追いつくのも遠い先の話ではないのかもしれない。
この戦闘パートで使える夜露の鬼ロックライフルが手に入ったりしませんかね?
・これは遠い未来、人々を守るためアリスギアで戦う少女たちの物語
戦闘パートの後は暗転して、この文が示される。10歳から32歳という幅広い年齢層をすべて少女と言っていいものかについて明言は控えるが、とにかくこの物語はアクトレスが主役らしい。
だから、プレーヤーである隊長はキーマンではあるのだろうけど主人公ではなく、公式でW主人公と言われる夜露や楓が何かを選択しその結果どうなるかの話になると思われる。
#アリスギア
#アリス・ギア・アイギス